環境の構築が終了したPX-W3PEは「とりあえず見れる」という状態にはなりますが、快適な動作を追求しようとすると多少の工夫が必要です。
その中でも、特にTVTestでのデコーダとレンダラの選択は非常に重要で、組み合わせによってはCPU使用率が3倍~4倍にもなってしまいます。
今回、Athlon5350上で快適にTVTestを動かすために幾つか試してみました。
TVTestを起動した状態で、画面上を右クリックして「設定」画面を呼び出します。
左側リストの一番上にある「一般」を選択すると、デコーダとレンダラを選択する画面が呼び出されます。
結論から先に行ってしまえば、Athlon5350上で動かすのであればLAV Video DecoderとEVRの組み合わせが最も快適に試聴できます。
現在、このPCにはLAV Video Decoder、Microsoft DTV-DVD Video Decoder、Mpeg2Dec Filter、AMD Video Decoderの4種類のMPEG2デコーダがインストールされています。
Microsoft DTV-DVD Video DecoderはWindowsに標準インストールされているデコーダです。
しかし、Windows8以降のOSではMedia Center Packを追加購入しなければこのデコーダは有効になりません。
そのため、選択してもエラーが表示されてしまい視聴することができません。
AMD Video Decoderはその名の通り、AMDのRadeonシリーズなどで利用できるAMD Catalystをインストールすると同時にインストールされるMPEG2デコーダです。
ただし、DirectShow Filter Toolなどを使って有効にする作業をしないと利用できません。
レンダラにVMR9を選択するとCPU使用率は15~17%になります。
レンダラにEVRを選択するとCPU使用率は13~15%になります。
こちらではデコードをCPUではなくGPUで行うため、CPU負荷を多少下げることが出来ます。
また、AMD Catalyst上での画質補正などの設定を適用することが出来ます。
Mpeg2Dec FilterはMPC-HCという動画プレイヤーをインストールする際に同時にインストールされるMPEG2デコーダです。
こちらはハードウェアデコードされないため、CPU使用率は高めになります。
レンダラにVMR9を選択するとCPU使用率は13~15%になります。
レンダラにEVRを選択するとCPU使用率は15~17%になります。
LAV Video Decoderはハードウェアデコードに対応したデコーダソフトウェアです。
ダウンロードはhttps://github.com/Nevcairiel/LAVFilters/releasesから行えます。
レンダラにVMR9を選択するとハードウェアデコードが無効化されてしまい、CPU使用率が跳ね上がり25~30%になります。
レンダラにEVRを選択するとハードウェアデコードが有効化され、CPU使用率は5%~8%と非常に低くなります。
なお、ハードウェアデコードを有効にするには設定が必要です。
画面上で右クリックし、「フィルタのプロパティ」から「映像デコーダ」を選択してLAV Video Decoderのプロパティを表示します。
また、その下のチェックボックスの「MPEG-2」にチェックが入っていることを確認します。
また、テレビ番組の殆どは60iのインターレース方式で配信されるため、右下のデインターレースも25p/30pに設定します。
この状態でOKを選択し、TVTestを再起動することでハードウェアデコードが有効化され、低いCPU使用率でテレビを視聴することができるようになります。
なお、CPU使用率が低いとは言うものの4番組同時視聴を行うと急激にCPU使用率が上がり、一番上に掲載したスクリーンショットのような状態ではCPU使用率が80%近くまで上がって番組再生がとぎれとぎれになってしまいます。
画面を表示せずにバックグラウンドで録画などを行う分には問題ありません。
以上のように、Athlon5350のようなロースペックPCでTVTestを快適にするには多少の調整が必要ですが、十分快適に見れる状態になっています。
録画した動画のエンコードなどについてはまた後日、試してみたいと思います。